モンゴルの海
こんにちは。
最近のモンゴルはだんだんと暖かくなってきて、モンゴルの人が一番嫌う春の季節がやってきました。
この理由についてはまた追い追い。
先日、モンゴルの旧正月のお休みを使って、モンゴルの海に行ってきました。
ウランバートルから北西に800㎞弱、バスで約12時間。フブスグル県というところです。
私は日本にいるときは車酔いとは無縁だったのですが、モンゴルの道はきちんと舗装されていないのと、標高が高いせいなのかモンゴルに来て、長距離移動だと激しい車酔いに襲われます。
ですが今回、幸運なことにフブスグルまでの道はわりとまともで車酔いせず。が、バス車内が極寒でした。
とにかく普通に快適に旅行させてくれないこの国です。
12時間の極寒バスを経てやっと着いたのがフブスグル県にある巨大な湖フブスグル湖です。
もちろん、モンゴルは内陸国なので、海はありません。
しかし、モンゴルの人はこの大きな湖を”海”と呼んでいます。
モンゴル語には湖という単語ももちろんありますが、この大きな湖に関して彼らは”海”と呼んでいます。なんとなく内陸国ならではの寂しさを感じます。
ここは夏の時期は避暑地として有名で、多くのモンゴル人や欧米人も観光に来るモンゴルではかなり有名な観光スポットです。
ちなみに夏はこんな感じ...らしい。
今回なぜこんな寒い時期にそこに行ったかというと、一つの目的はモンゴル料理の肉々しさに辟易していて、とにかく魚が食べたいという。
いつもは中身に香りの強い羊肉が入っているホーショールやボーズも(日本で言うとあげ餃子と蒸し餃子のような感じ)このフブスグルでは中身が魚のものを食べることができます。これはホーショール。
めちゃくちゃ美味しい。普段食べているホーショールとかボーズの100倍美味しかった。中身は魚を茹でてほぐしたものと、玉ねぎと塩。
中身は何の魚?と聞くと、そこの海の魚と言われ、種類もわからなければ、そもそも海じゃないし、なんにもわかりませんでした。
このボーズっていう蒸し餃子は、モンゴル人のお宅にお邪魔したりすると、かなりの確率で遭遇し、そして、食べろ、いっぱい食べろ、とかなりの量を食べさせられるもので、そのトラウマのせいもあり、イメージがかなり悪くなっていたのですが、今回初めておかわりしたい、って思うほど美味しいボーズに出会うことができ、本当にうれしかったのです。
また、これを食べに行くだけでもここに来たい…と思うくらい。
多分日本にいたらそうは思わないんだろうけど...
そして、もう一つの目的が、凍った湖が見たいという。
凍ってました。きれいに。
残念ながら、前日に雪が降ったため、広大な氷の湖をみることはできませんでしたが、
こんな感じで。真ん中くらいちょっと光って見えるのは氷です。
普通に歩けるし。車もガンガン通ってます。
凍った湖の底は水が閉じ込められていて、それが波打っており、その音が厚い氷越しに聞こえるので、何とも言えない鼓動のような音が聞こえてきます。
なんとも神秘的な音なのですが、まわりに誰もいなく、何もない場所なので暗くなってくるとちょっと恐怖。
氷の上を散策しているときに、宿泊先のおばちゃんが、大声で急に追いかけてきてくれて、その方向に行くなと。
一応極寒とはいえ氷が薄い部分もあるそうで。恐ろしい。ありがとうおばちゃん。
今まで、寒い寒いと散々言ってきましたが、今回の旅行がモンゴルで経験した中で一番の寒さでした。
当然外も寒いのですが、泊まったゲルも室内に置いてあるバケツの水が凍り、タオルも一瞬で凍ります。
ゲルの中に薪ストーブがあるのですが、夜中起きたら火が消えていて、つけようと思ったら寒すぎてi phone電源はいらないし、懐中電灯も同じく。
真っ暗闇でライターもなんか凍って途中で火がつかなくなって、本当に死ぬかと思いました。
調子に乗って馬ぞりなんかしてみたのですが、寒すぎて寒すぎて。
ひいてくれるおじちゃんの顔、最後めちゃくちゃ凍ってました。
そしてまた12時間の帰路。
この時期は旧正月のお休みの時期でバスの予約がいっぱいで、ミクロと呼ばれるハイエースみたいなのにぎゅうぎゅうになって帰りました。
また、このミクロが死ぬほど寒かった。そして治安悪い。
酔っぱらいのおっちゃんが外国人である私たちをからかってきたり、夜中急に信じられない爆音で音楽をかけたり...まあ、相当しんどかったですが面白い旅行でした。
モンゴルに行くと決まり、非常に恐れていた初めての冬もこんな感じで無事に乗り越えることができました。来年はもういいかな。お腹いっぱい。
それではまた。